日露戦争凱旋観兵式記念切手の買取り
日露戦争に日本が勝利した際に開催された陸軍凱旋観兵式を祝って発行された記念切手です。日露戦争凱旋観兵式の正式な名称は「明治三十七八年戦役(当時の日露戦争の呼称)陸軍凱旋観兵式」と言われます。
観兵式とは、国家元首(明治天皇)が軍隊の威容を観覧する儀式を言います。明治三七八年戦役凱旋観兵式の記念切手を貼り、記念スタンプを押し利用されたものが多数残っています。
切手の他にも絵ハガキや上記のようなスタンプや写真などが数多く存在し、歴史的な価値も非常に高いものとなっています。
日露戦争凱旋観兵式記念切手は日本で発行された切手で、初の専用の記念印(記念スタンプ)が利用された切手としても有名です。そのため記念切手の歴史の中でも重要視されています。
勝利を祝福できない理由
戦争に勝利することは、国家として非常に大きな慶賀とされていました。そのため当然記念となる品物も生産されています。戦争と言うものは、いつ終わりを迎えるのか?誰も答えを持ち合わせていません。
先を見越し、勝利に合わせ準備等できるはず等ありません。しかし、日露戦争に関しての祝賀が遅かった理由はそれだけではないのです。日露戦争に勝利した際の講和条約調印時には、賠償金を得る事が出来なかったのです。
それは苦労の多い生活を強いられていた国民にとっては不満の多い結果なのです。政府の弱腰を非難するために焼き討ち等が起こっていたほどです。その様子では、日露戦争に勝利はしたもののお祝いと言う雰囲気とは程遠いと言えるでしょう。
そのため、戦勝記念の祝いは兵士達の凱旋帰国を待った1906年(講和条約の翌年)に行われたのです。観兵式の記念切手とされていますが、実質は戦勝記念切手と言えるのです。
切手の発行
1906年4月29日に発行された記念切手は、額面は1銭5厘と3銭の2種類が発行されています。
発行枚数:1銭5厘が291万枚
3銭 が108万枚
デザイン
菊花紋が丸枠にあしらわれて、陸軍の平気が中央に描かれています。20世紀に発行された切手では、日露戦争凱旋観兵式記念切手と日韓通信合同記念切手の2種類について国号表記がありません。
当時の世相が反映されていることもあり、歴史的にも非常に高い価値を持っているとされています。
買取りについて
バラ切手単位での買取りは、1.5銭切手 9,000円、3.0銭切手18,000円ほどでの買取りが見込めます。3銭の発行枚数は少なく、1.5銭よりも希少価値があるとされます。そのため買取り価格も1.5銭よりも高くなります。