鳥切手の買取り
1875年1月1日に桜切手と並行し発行された普通切手です。国際郵便の開始を視野にいれた状態で額面設定が行われ、国際料金に適応するように発行されました。日本初の外国郵便は、日米郵便交換条約に基づき日米間で開始されたのが始まりです。
額面は、12銭、15銭、45銭の3種類です。用紙は強度面を考え西洋紙が採用されています。
鳥切手は、竜文切手や桜切手と同様に手彫りで原板が作られています。手彫り切手の中には、デザインの中にカタカナで一文字表記されています。これは、郵便局内の切手在庫を正確に把握・管理するために1874年から刷り込まれたとされています。
またカタカナは不正防止としても役立てていたと言われています。
デザイン
12銭 雁
15銭 セキレイ
45銭 鷹
これら3種類が描かれた切手を鳥切手と言われています。しかし、15銭と45銭の四方には桜の花も描かれているため桜切手として扱われる場合もあります。それぞれの工夫を凝らされた枠柄の中央には三種類の鳥が描かれています。
小さな切手の中で、鳥は豊かな表情を見せるだけでなく、羽根の流れまで細かく表現されています。これらの作業を銅板に図柄をエッチングし、少しずつ刷り上げていくのですから素晴らしい技術と言えます。
手彫り切手ゆえに一枚一枚の出来は決して同じではありません。また発行枚数も限定されています。それゆえに一級の芸術品として現在も人を魅了し続けているのです。
買取りについて
鳥切手は日本で4番目に発行された切手になります。非常に古い切手であり、一枚一枚の希少性からも非常に高い価値がついています。額面が12銭の雁切手は、特に高い買取り価格がついています。
日本における印刷技術の向上により鳥切手は最後の手彫り切手となります。そのため手彫りで作られた鳥切手に特別な思いを寄せるコレクターも多く存在します。また、切手に表記されたカタカナによって、鳥切手の価格は変化するのです。
カナは「イ」「ロ」「ハ」の3種類に分けられていますが、それぞれの額面によっても評価は細分化していて、鳥切手の価値は非常に高いです。それぞれの額面で低くても数万円の買取り価格が付きます。
古い切手のため、保存状態の良い綺麗な状態で残っていることが非常に珍しく、美品で45銭の鳥切手であれば、1枚で50000円を超える価格で買い取られる事もあります。もしお手元に鳥切手をお持ちの場合、状態が悪くても使用済みであっても一度買取り店に査定をお願いしてみてはいかがでしょうか?