中国切手の買取り その1
日本では1955年以来、高い価値を持つ切手は生まれていません。しかし中国の切手は違います。1968年発行の「全国の山河は赤一色」は、けた外れの価格がついています。
2003年4300万円の価格を付け香港で取引されました。2013年9100万円の価格が付いたのは、横長で一回り大きい同種切手です。中国切手は世界でも極めて稀な流動性を見せているのです。
中国プレミア切手
1968年発行の「全国の山河は赤一色」
中国の領土が赤一色で描かれているのが特徴とされていました。しかし台湾だけが白く描かれ、台湾は中国領土ではないと中国政府が認知したことになるため、発売から半日で発行停止となったのです。そのため、発行枚数は極めて少ないのです。
文化大革命時代の切手
政治色が強いものが多く、デザインも毛沢東や文革・天安門が多用されています。
毛沢東シリーズの中には、何十万もの価格で買取りをされているものもあります。
梅蘭芳
1962年発行「梅蘭芳(メイランファン)舞台芸術小型シート」
当時人気の京劇俳優をデザインしたものです。
小型切手シートは発行部数が少なかったため、100万以上の値段が付くこともあるそうです。
中国切手が高額な理由
文化大革命中の切手は「文革切手」と呼ばれ、毛沢東語録を中心に革命的な題材が多く扱われています。当時の中国切手は発行数が少ないだけでなく、切手収集も禁止されていて、1967年10月には国外への輸出も禁止されます。
革命の影響は切手だけでなく、1966年には観光事業も停止し、海外旅行者を再度受け入れだしたのは70年代の後半に入ってからでした。このような影響から中国切手の現存数は国内外共に非常に少ないとされています。
中国切手の特徴は、時代がデザインに反映しているところです。切手=中国の歴史と言える事も人気の理由で、現代中国の資料としても重要な位置にあるのです。デザインや発行時期を知る事で国の政策や方針を把握できるため、貴重な研究材料となっています。そして中国の経済レベル上昇と共に、中国では切手の収集を行う人が増えました。
それだけでなく、自国の芸術・文学・政治・思想が反映された切手を「研究材料」「国の歴史」とし集めている人がいるのです。そのような人は、収集のための金銭を出し惜しみすることはありません。
そのため中国のプレミア切手は段違いの価値を見せつけているのです。切手の買取り店の中には、海外切手の買取りをしていない業者も多いですが、中国切手だけは別格扱いされているのが現状です。
中国切手専門店の存在は、中国切手の強さを物語っているでしょう。