大正大礼記念切手の買取り
大正天皇の即位の礼とし大嘗祭の儀式「大正大礼」が挙行されます。その記念として発行された記念切手が「大正大礼記念切手」です。
「大正大礼」即位の礼・大嘗祭
即位の礼とは天皇が位を受け継ぐとき、皇位を継承したことを示す儀典で最高の皇室儀礼と言えます。諸外国における戴冠式と同じものです。
即位式の後には、五穀豊穣に感謝し継続を祈る大嘗祭が行われます。即位の礼から大嘗祭への一連の儀式をあわせ、御大礼や御大典と言われています。明治以降、即位の礼はその年限りですが、祝日となるのが慣例です。
1889(明治22)年、大日本国憲法と共に裁定された憲法に付随する法律として儀式が形式となります。
1915(大正4)年11月に京都御所で行われました。
デザイン
天皇に関わるデザインが行われています。
1銭5厘 (ハガキ用) 儀式の冠 幘
3銭 (封書用) 天皇の座 高御座
4銭・10銭(外国郵便用) 紫宸殿と威儀本位の武人
4銭・10銭は大正天皇の即位儀式の模様を上から見下ろす視点で書かれています。
現在では、皇室を題材にする場合は正面または見上げる視点で書かれているため、この大正大礼切手の構図が現代では決して描かれる事がないと言うところが、日本政府の考え方の変化を表しているとされています。
大正大礼記念には切手の他に、記念切手の台紙、記念ハガキやメダルも発行されています。絵葉書は2枚1組 通信欄は未使用で絵柄の面に記念切手とスタンプを押し記念として保存されることが多いです。
日本における天皇即位の国を挙げた一大事業であったことが理解できます。絵葉書のデザインは、即位礼の祝賀に演じられる雅楽「太平楽」式典の場所である「京都御所紫宸殿」。
買取りについて
大正大礼の切手は発行枚数が少ない10銭切手が他の切手比べて非常に高い価値をつけています。バラ切手単位での買取りは、1.5銭 1,000円、3.0銭 1,000円、4.0銭 3,000円、10.0銭13, 000円ほどを目安として買取りが行われています。
当時天皇の権威は現在よりも巨大であり、その即位を祝う切手は人々にとっても大変重要でした。そのため、比較的入手しやすい1.5銭と3銭は現存しているものが多く、それほど高い金額での買取りは見込めないでしょう。
しかし、10銭になると臨時収入として十分と言える金額で買取って貰えます。買取り店ごとに買取り基準は変わりますが、4種類全て記念台紙に残されている場合、コレクションとしても高く評価され価格が上昇することもあります。買取りを依頼する際には、セットで行うのが良いでしょう。