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日韓通信業務合同記念切手の買取り

OKサインをだす女性

正式には「韓国通信機関委託ニ関スル取極書」と呼称される協定を記念した切手です。

朝鮮半島と郵便の歴史

朝鮮半島での郵便事業は、とても難しいものでした。朝鮮では18841118日に郵便事業が発足されましたが、郵便切手は日本の大日本帝国印刷局に発注されています。しかし、軍事クーデターが発生することにより、販売された切手は同年無効となります。

1895年 郵便事業は再開されたものの短期間で行き詰まり郵便事業は、決して順調とは言えませんでした。

1897年 朝鮮は大韓帝国と国号を改めます。

1898年 フランスの協力を得て郵便事業が定着し始めたものの、朝鮮半島での通信事業は損失が増えるばかりでした。

1905年 朝鮮半島の郵便事業の拡大や、経済対策として日韓通信業務合同(事実上接収)が成立したのです。

それを記念し発行されたのが、日韓通信業務合同記念切手になります。またこれをきっかけに、従来の韓国切手の販売は中止され、販売済のものも1909年に使用禁止となっています。以降1946年まで日本切手の使用が継続され、両国の関係性が深いものであったことがわかります。

日本通信業務合同記念切手

日本で発行された4番目の記念切手です。日本と韓国で同時販売され、国外での販売枚数が多い珍しい切手です。販売枚数は148万枚でしたが、そのうちの半分以上となる82万枚が韓国国内で販売されたと記録されています。

額面は、3銭のみの1種類しか発行されていません。

日本通信業務合同記念切手

デザイン

右に大日本帝国の紋章である菊花紋章、左に大韓帝国の紋章である李花紋章があしらわれています。

図案選定者は樋畑雪湖
原画作成者は磯辺忠一
原版彫刻者は細貝為次郎

と、全て日本で企画製造されていました。この記念切手のデザインには異例が多く詰め込まれています。

1、国号表記でもある「大日本帝国郵便」と言う文字が描かれていません。このような国号表記欠落は、20世紀に発行された切手には2例しか存在していません。

2、事実上接収であったにも関わらず、日韓両国が対等として合併したと示すために、両国の紋章の位置が対等とされています。歴史的な状況や、対外的な立場等を知る事が出来る貴重な切手と言えます。

買取りについて

この切手の価値は数ある記念切手の中でも上位に位置されています。バラでの買取り価格としても綺麗なものである場合、10,000円程度での買取りが見込めます。

しかし買取り店の価格・価値基準は、買取り店ごとによって異なる事が殆どです。そのため、日韓通信事業合併切手のような古い切手は、一つの買取り店に絞って査定するのではなく複数の買取り店に査定してもらうことをお勧めします。

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