航空切手の買取り
航空郵便は1919年に東京・大阪間で初めて試行され、航空切手も発売されました。軍事切手にも利用された田沢型旧大正毛紙切手(普通切手)の1銭5厘と3銭の上に、飛行機を加刷しています。発行枚数は、1銭5厘は5万枚、3銭は3万枚。
1919に東京・大阪の郵便局に限って発売されました。通常切手に加刷したものですが、初めての記念切手になります。
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航空切手の歩み
本格的な航空切手の開始は、1929年の「芦ノ湖航空切手」です。日本発の記念小型シートとして合計4枚を2万セット発行しています。4枚セットに料金改正で加えられた1枚を追加した5枚セットでの買取りが買取り店で好まれます。状態の良い5セットであれば5,000円以上の価格で買取りがされます。
1929年発行 芦ノ湖航空切手
1937年に航空郵便制度は速達郵便制度に統合されます。航空路線のある国内速達便は飛行機を使用することにより、航空切手は不要となり廃止されたのです。その後、終戦の事情により外国郵便業務を許されませんでした。
1950年になり航空切手が復活します。
国内での航空機所持を禁止されていたため、デザインに飛行機ではなく国鳥であるキジが採用されています。
1950年発行 キジ航空
キジ航空は、5種類セットで10,000円以上の買取り価格がつく場合があります。
1951年には国内航空も再開されると同時に新しい切手も発行されました。五重塔とダグラス機を描いた「五重塔航空」5種。
1952年には立山劔岳とダグラス機を描いた「立山航空」6種を発行しています。
1952年の通貨単価変更にともない切手の額面表示も変化しています。「五重塔航空」「立山航空」共にデザインに変更はありませんが、銭表示を無くし切手が発行されました。円表示の方が新しいため買取り価格は銭表示のあるものの方が高く買い取られます。
「五重塔航空」「立山航空」に加えて飛行機と富士山を遠景に、大仏を描いた「大仏航空」4種も発行されました。
五重塔航空
買取り店では、店舗により差はありますが、立山航空切手は、銭・円共に状態が良ければ6種セットで10,000円以上の買取り価値が付きます。五重塔航空切手セットは円・銭共に、立山航空の5分の1以下の買取り価格になります。大仏航空は、4種で1000円程度の買取りになります。
本土とは異なる歩みをした沖縄航空切手
琉球政府発行の航空郵便は1950年に鳩と地図の図柄の3種が発行されています。
その後、米貨単位の改訂加刷のものを含めると計5回発行されています。
1950年発行 ハト航空
1951年発行 天女航空
1957年発行 凹版天女航空
航空郵便切手は、航空郵便以外にも利用できたため普通切手の扱いとされていました。
そのため、1962年には新たに発行されることはなくなりました。