関東局始政30年記念切手の買取り
30周年を祝われている関東局とは?と、疑問に思う人もいるでしょう。関東局とは関東放送局や関東逓信局の略称ではありません。1905年日露戦争終結の際に、現在の中華人民共和国大連市の一部地域の租借権を得た地域を「関東州」としています。
当初は軍政が布かれていましたが、1906年9月1日に民政に移管され関東都督府が設置されたのです。
1919年関東庁に組織を改めます。1934年関東局に再び組織が改変されました。租借地の起源は中華民国との間の条約により1997年まで延長されました。しかし1932年に関東軍が東三省全土を占拠し満州国を建国することで、租借権を満州国から受けているものに変更となります。そのため1937年に、行政権を満州国へと返還したのです。
1945年には、ソ連軍により占領、関東軍の幸福により関東局は瓦解しました。
関東局の郵便事業は、日本の郵政関連の官庁である逓信省のもと関東逓信局が行っていました。この関東州管内では、関東局始政30年記念切手と関東神宮鎮座記念切手しか記念切手は発行されておらず、非常に希少価値の高い切手となっています。
関東局始政30年記念切手
関東州が軍政から民政に移管された1906年から30年を記念して発行された切手です。大日本帝国郵便と表記されているものの、発売は関東州に限定されていました。
額面は1.5銭、3銭、10銭の3種類が発行されています。日本本土で切手を手に入れる場合は、通信販売のみの入手であり5万枚のみの製造だったため、当時からプレミアがついていました。
デザイン
1.5銭のデザインは、関東州の地図と旭光と鳩です。3.0銭は旅順港にある日露戦争戦歿兵士の納骨祠と表忠塔が描かれています。10銭は、関東庁の建物が採用されました。
買取りについて
さまざまな条件のもとで、関東局始政30年記念切手はこの時代に発行されている他のものと比べ、屈指の高額となっています。バラ切手単価、1.5銭2,000円、3.0銭3,000円、10銭10,000円の価値をつける買取り店も存在しています。希少性の高い10銭であれば、1枚であっても十分な臨時収入と言えます。
古く入手経路も難しい切手ですので、状態の悪い切手が多いのが問題と言えるでしょう。そのため、切手の保存状態が良ければ価格の大幅な上昇が期待できます。3種類全部が揃っている事で、コレクション価格としての買い入れも期待できます。
しかし、その価値を十分に理解している買取り店でなければ二束三文で取引されることも出てきます。実際に査定してもらう前に、メールや電話等で相談をすることをお勧めします。